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村上義弘の性格は何処かで仕掛けてしまうだろう。満身創痍、村上の独りっきりの自力勝負は買えない。そんな旨の説明を昨年の展望番組で私は喋った、したり顔で。
グランプリの村上には「恐れ入りました」の賛辞を送りたい。
 
東武野田線〈大宮公園駅〉から競輪場までの道筋は二つあった。中学校の門前を通る経路か畑の方を抜けて行く道程、私はその日の気分で使い分けていた。昔、初めてこの駅に降り、ぶらぶらしたあと小さな本屋を覗いたら〈出目研究〉〈○○必勝法〉……、ギャンブル物のコーナーがあった。さすが競輪場の最寄駅、と吃驚したのを忘れないでいる。
私は出目論者ではないが、数年前、大宮記念の決勝の数字に括目し、一、二、三の目が突出していると騒ぎ出した。いろんな媒体で一と二と三だと吹聴しまくり、その年の三連単は見事に一番車と二番車と三番車の確定板だった。数日間、会う人・逢う人に「出ましたね、一、二、三」と祝われた。握手を求められたりもした。しかし私は……。
私は買ってなかった。魔が差したでは嘘になる。阿呆な推理が邪魔をした。間抜けな計算に惑わされた。ともかく己が力説した一、二、三を買えなかったのだ。
照れ笑いを纏い「勝者」を演ずると、嫌な唾が体を逆流した。
大宮記念の季節がやって来ると、出目の怖さを軀が思い出す。
 

 
 
 
 
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